HOME
証言181 | 8月9日 直後 | もう見渡す限りペシャンコ | 当時26歳 |
気がついたときには部屋の隅っこに、先生も看護婦も患者も、
ひとかたまりになって吹き付けられていた訳ですね。
それで、物が壊れたりなんかした煙で息ができないんですね。
何とか息をしたいと思って、丁度〈3階に居ったですから、
で、屋上が4階ですけども。屋上にまず駆〈け上がろうと思って
廊下の方に出たら、廊下も足の踏み場もないんですね。
でもやっと、倒れた物の間を通って屋上に出たんですよ。
その時に、この外が何となく明るく見えてきて、
そしてもう見渡す限りペシャンコになっている。
最初に外来を…、で、患者を診〈とった時にはですね、
自分だけがやられたんではないかと思ったんですけどね。
屋上に上がって、初めて見渡す限りが跡形ない…、
いうこと見て本当ぞっとしたですね。
そして、玄関のところまでやっと、まあ。
玄関というのは病院の玄関ですね、降りてきたんですが、
もうその玄関の入り口あたりには重傷者が呻〈いている訳〈ですね。
ほとんど、着てる衣類は吹っ飛ばされてる、
あるいは手足は吹っ飛んでいるという状態…