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証言179 | 8月9日 直後 | 助かったのは、男では私一人 | 当時26歳 |
先ほどまで、一列になりまして、土を手送りしていた女の先生、
あるいは外に出て、足を拭いていた男の先生、
一人残らず倒れてうめいていました。
しかもそれが、上半身何も付けない…、付けていないのです。
おそらく爆風〈に剥〈ぎ取られたのか、熱のために焼けてしまったのか、
出ている手足や顔は焼け爛〈れまして、雑巾〈のような皮がぶら下がり、
二目〈と見られないような様子でした。仲間の先生でなければ、
一目見ただけで、私は、気味悪くなって逃げ出しただろうと思うのです。
それから、イチノセという先生がいらっしゃいました。
やはり外にいまして、土を手送りしていたんですが、
その先生が10m以上も吹き飛ばされて、
崖〈に打ち当てられて即死していました。
しばらくしますと、他に行っていました女の若い先生、
教頭先生が学校に帰ってきましたけれども、
一人残らず、背中いっぱい赤く焼け爛〈れた、痛ましい姿をしていました。
そして、みんなもうガタガタ震〈えまして、『寒い寒い』と、
しきりに訴えるんですけども、着せる物は何もございません。
その時に学校に出まして助かったのは、
男では私一人、女の先生が3名でしたけれども…