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証言178 | 8月9日 正午過ぎ? | はっ、県庁が燃え出した | 当時16歳 |
山を越えました。と同時に、そこに居る十人内外の男の方々が皆、
本当に腰を抜かしてしまいました。見渡す限り火の海なんです。
もう、煙で遠い方面は見えません。ただ、真下の三菱、工場、
製鋼所なんかも一面火の海なんです。
そして、音が山の上まで聞こえてきます。
その「ゴーッ」という燃えるような音は今でも、忘れることができませんけど。
そこでもう、へたへたっと皆さん座り込みまして、
どうしていいのか為〈すすべを知らないというか、全員座り込んでしまいました。
見ているうちに、県庁が燃え出しました。
そこにいる人たちは全員で、『はっ、県庁が燃えだした。
どうしたんだ、消防隊はどうしたんだ』と言ってるんですが、
消防隊の方だって全滅したのかも分〈かりません。
とにかく、飛び火をしたような格好で、県庁が燃えていました。
我々は山の上から、歯ぎしりをして残念がるんですが、
見る見るうちに燃えて行くわけです。