HOME
証言177 | 8月9日 1時間後位? | 落ちる度に、街は火の海に | 当時17歳 |
崖を、石崖のくえた(崩〈れた)ごたっところを、這〈うたごとして行った。
で、山の、山の頂上〈の方に行ったところが、
兵隊の姿はなるほど見えたけども、兵隊も火傷〈で真っ黒、
顔は黒こげになっとる訳〈ですよね。
ほっで『薬はないか?』って言ったけど。
『薬もない、水もない、我々もこんな状態じゃから、
そんなその、薬やら水、補給もでけん』て言うた。
山に着〈くのと同時にドラム缶が「ボーン」と破裂〈して、
上に上がって、パーンと爆発して、落ちる度に、街は火の海に、
次から次ぎさんなっていったんですね。
ほっでもう、山の上におっても、顔が熱いわけです、
ものすごい熱いわけですよ。
そいけどもう、ビリビリする訳〈ですね。
そのうちに吐〈き気が、もの凄〈う吐〈き気がするし、
吐〈き気がしてでも、吐〈くものがないでしょ、
腹の中になんもないもんじゃから。
で、あの苦〈い胃液を吐〈くんですよ。それが苦〈しゅうてからもう。