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証言171 | 8月9日 | 次から次、次から次へと | 当時36歳 |
ビックリしてね、私、もう本当、動けなかったんですよ。
ていうのはもう、素っ裸ですね、そうしてもう、
身体中が腫れ上がった人たちがね。
本当に人間じゃないですね、なにも着ていないんですから。
あるいはゴザみたいなのを身体に巻き付けたりね。
そういう調子の人たちが次から次へと歩いて来るです。
何時間も何時間も掛〈かって、火の中を潜〈って来た人たちですよね。
腕の皮がぶらっと下がったり。
本当に皮はあんなに下がるもんだということを、私初めて知りました。
股の皮でもなんでもビローっと剥〈げましてね。そして髪の毛なんてのはこう。
髪の毛は逆立つと言いますね、逆立つという形容〈は全く本当ですね。
もう、1本1本、逆立っているんですよ。
そしてそれがもう、焼けたところもあるしですね。
そういう人が次から次、次から次へともう、
ずーっと繋〈がっているんですよねぇ。