ちょっとこう、後ろを振り返ったんですね。 その瞬間、稲光のようなのが「パッ」としたんですよ。 背中に「熱ッ」って感じたんですね。 熱ッと感じたちょこっとの瞬間だったんですけど、凄〈い火傷〈。 気が付いてですね、板をはぐって(めくって)外に出たとき、 まだ誰もいなかったですよ。 周りは全部、こうぺちゃんこになってしまっているでしょう。 そして、私何処〈に来たんだろうかと思ったんですよ。 ひとりだけでしょ立っているのは。
もう周りを見てもどこも分〈からないんですよね。 そいで、誰かが『助けてくれ〜』言う…言われたんです。 そいで自分にかえって、もう自分の着物なんにもないんですよね。 ズロースだけに…、なっているんです。 |