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証言146 | 8月9日 瞬間 | 燃えてるんです、靴が | 当時20歳 |
私はね、太陽が落ちて来て、じゃないかと思ったね。
その音の凄さと、光の強さね。パーーンという音に、ピカッとして。
ピカドンという言葉がよく言われますけど、
私にはね、最初から見てたせいか、
もう、音と光と、一緒のような感じがしましたね。
黄色なんです、なんでもかんでも。煙が動いてるんですね、
空気が動いてるという感じなんです。
まず、声が聞こえるんですね。『やられた、助けてくれ〜』と。
ちょっと覗〈いてみると、手をだらーっと下げちゃってね、
裸の兵隊がさぁ、うろうろしてきちがいみたいに叫〈んでるんです。
ものすごく、こう痛みだしてね、
私はまたそのまま立ち上がったのを、そのまま蹲〈ったんです。
でも考えてみるとね、燃えてるんです、靴が、シャツが。
くすぶってるんです。やっぱ本能的に煙を消して。