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証言145 | 8月9日 瞬間 | 背後から原爆の光線が襲う | 当時16歳 |
「パアッ」とこう、目も眩むような閃光〈が青空一面に広がって、
花火みたいに赤や、紫、黄色のという風な、
目も眩〈むような色の火の玉がですね、
雨霰〈となって地上に降り注いで来たんです。
その光線(火の玉)が自分の顔に当たったとき、
もの凄〈い焼け火箸〈を当てられた感じの、もの凄〈い劇痛〈を感じたんです。
あっと思って、顔にそこだけ手をやって、左手で押さえたんですよ。
ところが、押さえて、こう撫〈でたらですね
ペロっと皮が上から下に一枚剥〈けて下がったんですね〜。
それでビックリしてあわてふためいてそこから2mばかり離れた
横穴の防空壕〈に逃げ込んだんです。
逃げ込むとき、背後から原爆の光線がパッパパッパ襲ってきたんです。
背後から来たもんだから、背中は全部その時焼けて、
防空壕〈に入りこんだんですけど、崖〈をくり抜いた防空壕〈で、
前に遮蔽物〈がなかったものだから、光線がもう次から次ぎに侵入してきて
たまらんもんだから、側にあったYシャツを
頭からかぶってしゃがみ込んだんです。
ところがYシャツを手で押さえて、出てるところは手と腕だったんですけどね、
その腕や手が光線で波状的にパッパパッパやって来るんです。
本当その光線というのはもの凄〈い熱さですね。
それでもう熱いもんだから、歯を食いしばって身悶〈えしながら
うんうん唸〈って歯を食いしばってがんばっていたんですよね。
それがもう、無限の時間、長い時間に考えられてですね。