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証言142 | 8月9日 瞬間 | 丸い玉が長崎を押さえつけ | 当時22歳 |
兵隊の声で『野母半島上空通過』と言う声と同時に
「パッ」と炸裂〈したわけですが、
ピカッとしたその、丸い玉ですよ、その時は。
丸い玉みたいなのバアッと長崎に、
押さえつけましたですね、バアッと押さえつけて、
ちょうど海水浴に使う「浮き」でございますね、
桃色のドーナツと言いますか、こうれん(紅蓮〈)の炎と言いますか
そういうのがボッとドーナツみたいなのが出来たんですが、
その横幅が、ちょうど香焼〈から見まして
稲佐岳〈と同じような太さでございました。
(高度)八千というようなことを中隊長に報告すると同時に下の方から、
例のキノコ雲と申しますかあれが真ん中にすーっと出てきたわけですが、
それが間もなくそのドーナツみたいな輪を通り越しまして、
上の方にぶーっとこう盛り上がっていくわけでございますが、
その高度が1万、それから1万2千、1万3千、
と言うことを私は中隊長に報告しましたが、
もう以後は報告するすべがなく、後はずーっと形を崩〈しまして
上空へ上空へと行ったんですが…