あーた、原爆が落ちる夢を見たんですよ。 飛行機がどっから飛んで来たか分からず、ピカッって光ってね。 そうしたら、あっちもこっちも怪我〈人ができるし、家は燃えるし。
(そうした)夢…。正夢〈ば見とるとですよ。
それから私、隣の奥さんにね『うちはこうこうして、あんた、 飛行機がどっから来たとやらピカッって光ってね、 火事んあったとやが』って言ったらね、 『あんた、そういうことばっかり言うとる。 いま(に)、軍法会議〈に回されるっとたい』。
『へー、夢見たとでも話ししたら軍法会議〈に回さるって、 ほおぅ、恐ろし恐ろし』って言うてね。私は帰ったんですよ。
そしたらあーた、初めて長崎に落ちて…初めて、 あらー夢とまぁ同じもんたいと思うてね。 ひとつも変わりませんでしたね、夢と。 |