陸軍の兵隊が、沢山たくさん来ましてね、
死体の処理をやっとったんです。
で、その死体をね本川橋ほんかわばしの根元へ沢山たくさん積み上げておったですよ。
積み上げてね、そして、石油をかけて焼くんですよ。

ところがまさにその石油かけて焼こうか云う時に、
一人の兵隊がね、『ああ、ちょっと待て、これは、
この人まだ生きとるわ』言うてね、
『ちょっとこれだけはのけとけ』っちゅうような、
『こっちの人』そういう状態で死体の処理をやっとったということ。

仏教のあの、地獄極楽ごくらくの絵っちゅうのありますよね。
地獄の絵っていうのは、子供心に見ても、
『まあ、大変なもんだな、恐ろしいな』っていう気がしとったんですが、
ま、そのねえ、地獄の絵なんちゅう物は、
まだまだ生やさしいもんだなって思いましたよ。

被爆者の絵・黒、茶色など何とも言えない色の死体を(坪中愛子 作/広島平和記念資料館 提供) 

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