火葬場へ持ってっても焼ききれないんです。
方々から運ばれるもんですからね。
焼ききれないもんだから、似島〈にのしま〉の検疫所〈けんえきしょ〉の向こうに横穴がありまして、
横穴へ、みな、死体を運びましてね、
一つの横穴へ50体ほど、詰めて、そして横穴を塞〈ふさ〉いだ。

余所〈よそ〉からも持ってきます。
そういう風なことで、海岸にずーっと死体を並べましてね、
そして、遺髪、それから遺爪〈いそう〉、
それから少しでも着物の模様で特色のあるような部分を切り取るとか。
そして、まあだいたい、推定年齢と男女の別と書いて、
皆の人と状袋に入れましてね…

似島の海 伊藤明彦 撮影 

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