これかのう思うてこう、えー、死骸しがいをいらうとね、
ピチーっとぶんですなあ、あの、はあ、暑いですけんね。
ふくれて、もう形は、はっきりからんようになっとるし、ほんとにまあ、
あの、海老えびを湯がいてね、バッとね、こう移したようなんですわ。
多いので、死んどるのがね。

早う、一分でも早うまあ、一目見てやろう思うのが一念ですが、
もうはぁ、あの姿を親に見せんほうが親孝行じゃ、
思う気がしましたな。えぇ。

ありゃあ、いよいよ確認できません。えぇ。
見た人がおらんのじゃから。
もう、(県立)二中の生徒は全滅ですけんね、
あすこへ行っとった者は。先生から始め…。
えぇ、あすこへ、朝出て行ったいうことはかっておるんですがね。

広島の焼け跡(広島平和記念資料館 提供) 県立広島二中 慰霊碑 伊藤明彦 撮影 

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