ええ、爆心地のとこ行ったんです。
その川っぷちにね、あのう、ちょうどあたしたちと同じぐらいの、
あの、生徒、男の子の生徒が
建物の疎開にね、作業に出てたらしくて、
そういう人達がいっぱい固まって死んでました。
え、そういう死んでる中をね、こう、またいでまたいでこう、歩いてね、
あたしたちは来たんですけどね。
肉親らしい人が、やっぱりこう探して歩いてましたけどね、
トタンをこうめくって見たらね、
やっぱり自分の子だったらしいんですよ。
で、その死体にねえ、『ここにいたいた』って言ってね、
それね抱きかかえて泣いてましたけどね。
それでね、あのあたしのうちのね、
焼け跡へ
着いたときにね、あたしが弟をおんぶしてね、
レンガがこう転がってたんですよね。
で、そこへあたしが何の気なしにひゅっと上がったんです。
そしたらそのレンガがね、ぺシャンと
崩〈れちゃったんですよね。
『レンガが
崩〈れるぐらいだからひどい爆弾だね』って
母親が言いましたけどね…