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証言090 | 8月6日 夜 | みんな死んだんですよ、はい。 | 当時37歳 |
ただその時は自分の娘も今どっかでこんな目にあってるんじゃ
ないかしらんという気持ちがある以上はその人たちを
見過ごすことができないわけなんです。
なんとかしてこの人たちも。
『おばちゃん、水ちょうだい、水ちょうだい。
私の兄さんはどこそこの警防団にいるんじゃから連絡取ってくれ』、
『なんね、今そうじゃない。おばちゃんの娘も
今こうこうで今あなたたちらと同様にどっかでこのように泣いて、
あんた達のように叫〈んでいるじゃろう思うから。
まぁとにかく水を飲んだらあんた達は死ぬるんじゃから、
もう飲んだらいかん、もう飲んだらいかん。
あんた達は命が大事なんじゃから。もう明日夜が明けたら何とかなるから、
夜の明けるまではここで辛抱〈してくれ』言うたんですがね。
みんな死んだんですよ、はい。もうね、みんな死にましてね。
もう私本当に泣きましてね。その人たちが死んだのが、その人じゃない、
私の娘がこの通り死んどるんじゃろう思いましてね、泣きましてね。