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証言088 | 8月6日 夜 | 『死んでもいいけん飲ましてくれ』 | 当時17歳 |
ただ水が飲みたいんですよね。
のどが渇いて死にそうなんですよね。
私はその頃には目はつぶれて、腫れてからつぶれて、
誰が誰やら全然分〈からんし、声だけで、誰だ、
いうのが分〈かるような状態だったです。
ただもう『水を飲ませい』
『死んでもいいけん飲ましてくれ』言うぐらいまで苦〈しかった、
その水が欲しかったいうことがね。
先生は飲ましたら死ぬるけえ飲ましたらいけん言われる。
それで『誰々』言うて下級生の名前言うてですね、
『死んでもいいけえ飲ましてくれ言うんじゃけん、の、汲〈んで来てくれ』
『お前汲〈んで来てくれんのなら、恨〈んで出るぞ。
死んだら恨〈んで出るぞ』言うたわけですよね。
汲〈んで来てくれたのが、ビールの瓶〈へ井戸水を汲〈んで来てくれたわけです。
『さげられんけん(自分で持てないから)飲ましてくれ』言うて、
水を飲んだ時の、まぁ美味〈しかったよ。
その冷やい水が咽〈をカラカラになった所を通る旨〈さ。未だにまぁ…