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証言072 | 8月6日 | 連れてっても、赤チンぐらい | 当時39歳 |
またその連れてく道に、もう、ずーっと倒れてね。
その倒れとる人がね
『水ちょうだ〜い、水ちょうだい、水ちょうだい』て言うて、
皆死に物狂いでおらび(叫び)よってんですよ。
連れてったら、またそこが焼け爛〈れた人ばっかり。
私は気分が悪うなってね。
私が行きましたらの、こうぶら下がってね、
目が飛び出て、目ぇ見えんのです。
それでも私が来た気配は分〈かるらしいね。
私に『おばさん、早よう医者の所に連れてってくださいや』言うてんですよ。
連れてってください言うても握るところもありゃしませんのよ。
私は恐ろしゅうて恐ろしゅうてね。
連れてってあげたいうても、赤チン塗ったぐらいのことでしたよ。
何にもありゃせんのですけん。