熱くて熱くてですね、どうにもならんですよね。 とにかく広場でじっとしちゃおれんのですよ、熱くて。
電柱があるでしょう。だから、どうしても川の中へ入らなんだらね、 これだけの人はどうもこうもならんちゅうんで 私たちは、電柱を転がして川の中へ飛ばし込んでね、 それに掴まって流れにまかして行くより他にしょうがないと、 私、考えたんだけどね。電柱まで燃え出してね、火が。
ところがもう、その頃になりますとね、 上の方からどんどん人が流れてきますしね、死んだ人がね。 それから橋が今度燃えよんですよね、橋が。 燃えきれてザーっと凄〈い音をたてて落ちるんですよね、燃え切れて。 かなり長い橋でしたけどもね。それがもう帯のように、虹のように火がですよ、 炎がですよね、弧〈を描いた。それが燃えきれてザーっと落ちるんですよ。 |