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証言062 | 8月6日 | 中が見え「ぶくぶく」しよる | 当時42歳 |
行ってみりゃ、こりゃまたたいそう(のこと、)来てるんです。
それが、見られたもんじゃない。
大怪我をしたり、まぁ、ひどいのになったら、皮がむけてね、
ぶらーんとさがっとるんですよ。
皮がむけてぶらーんとさがっとるんじゃから、中が見えよるんです。
「ぶくぶく、ぶくぶく」しよる。あれでも生きてるんかのう。
そうなったら、可哀想〈なとか同情とかいうようなことはわかんです。
そういうのばっかり見てるんだから。全部がそうなってるんじゃけぇ。
火が猛烈〈に燃えてきて、熱うて熱うておれんのですよ。
川のほとりから川の中へバタバタバタバタ飛び込むんですよ。
火に追われて、かなわんもんじゃけぇ。
一人も泳いで渡るとかおりゃあせんのですよ。
そうしよったら、ありゃどうしたのかと思ったら、こみあげてるくんですね。
あげる言うでしょ。嘔吐〈ですよね。こみ上げてきてね、あげだした。
見りゃ、そこらにおる人がほとんどギャーギャーギャーギャー言ってあげてね。