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証言061 | 8月6日 | 死んでおった人間がむっくり | 当時31歳 |
アスファルトの道路を、長靴を履〈いて走って行く。
走って行くとバタバタバタッと音がするんですね。
人っ子一人おらんような所で。
ほいで電線があるとそれを飛び越える。
電柱が横たわっているとそれを飛び越える。
音が聞こえるわけ。音が聞こえると、途中倒れて
死んでおった人間がむっくり起き上がるわけ。
起き上がって手を差し伸べるんですよ。差し伸べてそのまま、
またバターンと倒れる。こっちもつかまっちゃいかんと思ってそれを避〈ける。
そうするとまた足音がバタバタ、こっちの走る足音が聞こえる。
そこで倒れてる人間がまたむっくり起きてですね。
そのむっくり起きる顔色がもうやっぱり黒くなっている。
それがむっくり起きてですね、