HOME
証言057 | 8月6日 | 皮膚の焼けた皮がみんなぺったり手に | 当時24歳 |
私たちの隊で、兵隊と将校で編成を組んで、タンカや何かを持って、
御幸橋〈のたもとへ着〈きまして、そこを拠点として方々へ散らばって、
重傷者は運び出したわけなんですけどね。
とにかくどこから手つけていいかわからないぐらいの人たちが
『助けて』『助けて』と言うんですよね。
熱いものだから『水をくれ』『水をくれ』と泣き叫〈んでるわけですよ。
周りはもう火の海で、なかなか中へ熱くて入れないですよね。
まだその奥の方へ入っていきましたら、
女の人たちがたくさん倒れてるわけですよね。
『兵隊さん、助けてくれ、助けてくれ』
『熱いよ』というようなことを言って、
『水くれ』『水くれ』と言うんですけどね。
着物や何かはほとんど着てない状態ですよね。
もう身体全体が焼けてますからね。
一緒に行った兵隊に「持て」って持たせるんですよ。持たせると、
皮膚の焼けた皮がみんなぺったり手にくっついてしまうわけですよね。