そいでもう、色々とやってみたけれども、 どうにもならない。 今度は、子供じゃない私が、そこを通りよる人に 『どうぞ手を貸して下さい、この下に家内がおるんだから!』 と云ったけれども、見向きもする人は居ないですね。えぇ。 もう、消防もですね、巡査も、軍隊も、あったもんじゃないですよ。 もう軍人でもですね、みな軍刀引っ提〈げて、 ダッダッダッダッ逃げる事ばっかりですよね。えぇ。
もう、どうする事も出来ませんでした。 只『助けてくれ、助けてくれ!』と云う声を聞くだけで、 それからもう段々火は、あちらこちらに火の手が上がるでしょう? 『助けてくれ、助けてくれ!』ってですね。呼んどりましたがね…、 どうにもならんのでね… |