被爆者の声57

<body><a href="../index.html">HOME</a><br><table summary="証言052"><tr><td class="testi">証言052</td><td class="date">8月6日</td><td class="i_midasi">サダコが来たよ、お父さん。</td><td class="age">当時12歳</td></tr></table><table summary="背景画像あり"><tr><td class="bg" background="../photo/img157.jpg"><div class="large">必死で父の名を呼んだんです。<br>『お父さん、お父さん』と云って呼びました。<br>いっくら呼んでも返事が無いんですよね。<br>それで、『お父さん』と云ったんだ<span class="small">（じゃ）</span>、<br>聞こえないかと思って『サダコ』と云いました。<br>『サダコが来たよ、お父さん。サダコが来たよ、<br>お父さん、返事をして<ruby>頂戴<rp>〈<rt>ちょうだい<rp>〉</ruby>！！』呼んだんです。<br><br>そしたら、一度だけ『ウーン…』と云ううなり声が聞こえたんです。<br>そして、その後も何回も『お父さん、お父さん、サダコよ、お父さん』って<br>呼んだんだけども、とうとうそのまま返事が聞こえなかったんです。<br>そうしてるうちに、ドンドンドンドン火が燃えて来たんです。<br>『もうここに居たら焼け死ぬから、<br>早く逃げんといけない、早く逃げなさい！』って<br>周囲の人が、皆が云って下さったので…</div></td></tr></table></body>