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証言038 | 8月6日 正午前後 | ボツになろうと、本当の事を | 当時38歳 |
いわゆる、(私らが言う)、正規の第1報は済んどると。
NHKの支局へ、同盟通信の岡山支局の連中を呼んでもろうて、
こうこうじゃと出したから、いわゆる雑感をアンタ書けいうんでね。
書けいうんで私が書いてね。
やっぱり、「一発でね、落ちた広島市は廃墟になって、
市内へ入ろうと思ったけれども入れないと。
そいでもう、市外へ、市外へ、怪我〈人が津波の様に、出して来よる。
恐〈らく広島市は勿論〈全滅しとる様な模様であろう」、
という様な意味を書いた訳〈ですね、私は。
私はホンマ見たとおりを書いた訳〈ですがね。
今で言う、事件のあった雑感記事よりは、
多少心構えが違ってたんでしょうね、私の場合。
本社の方へやっぱり報告しよういう気持ちも半分ある、
一般記事として使えるとは、その当時じゃけん思っとらんですよね。
その当時の事だからボツになろうとなるまいと、
恐〈らくなるじゃろうけれども、本社への報告、本当の事を知らせる、
知らせたい、いう気持ちからね。
そりゃヒドイ、いわゆる、ユーレイの様に人波が続いとる
という事を、正直に書いた。