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証言034 | 8月6日 午前 | 女の子か男の子か…、声聞いて | 当時16歳 |
空がすごく暗くなりましてね。暗くなったいうのが、
日食ですかね、あれ全部、お日さんが隠れますでしょ、
そん時暗くなるでしょ、あれ位だったか、
あれよりまだ暗かったか思うんですが、
空は真っ黒い雲ですね。
皆、煙突から抜け出た様に、煤もぐれのような感じで、
髪は逆立ちに立ってますし、勿論〈、服なんか真っ黒ですよね。
だからあの時は、灰色よりまだ黒い色と、真っ赤な血と、
いう色しか無かったと思います。
それで雨が叩〈きつけるように降ってきました。
その中学の1年生、2年生位のちっちゃいのが、全身もう焼けて、
風船の様に膨〈れてますね。皮はボロボロ下がってる。
男の子は、帽子被〈ってる所は髪が残ってるんですけど、
その帽子の下から全部ヤケドですから、
髪も溶〈けて無いし、耳も溶〈けた様な感じです。
『もしもし』って呼ぶ子が居るんです。女の子でしたね。
女の子か男の子かわかりませんけど、声聞いてわかりますで。
『雨に打たれて寒いから、何か着る物ないですか?』云って、
云うわけなんですよね…