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証言031 | 8月6日 午前 | しかも青い松の葉っぱが燃えとる | 当時50歳 |
ほいで避難して、そこで見ますとね、
高い松の木の上の方がボウボウ燃えてるんですね。
松の木ですから青いでしょ、焼夷弾〈のかけらも何も無いのに。
ああいう上の方が、しかも青い松の葉っぱが燃えとるのは、
どういう訳〈だろうと。今まで爆撃〈には、
方々で色々会ったけども、不思議でしょうがないと。
原子爆弾って、気が付かないですからね。
そうすると、時々熱い炎の風が地面を這〈って、こう。
そしてその周囲に居る避難〈して来ている人間が、
皆大火傷〈をして、顔がわからん位に赤剥〈けになってしまっとる。
苦〈しくて仕様が無いもんだから、
その連中は、皆、池の中に入ってるんですね。
冷やしたならば苦痛が少しでも少くなるかと思って冷やしておるんでしょうね、
そうす(る)とその避難〈して来る人間が、だんだんに人数が増えて来ましてね、
それが実に二目〈とは見られん様な顔付きになっとるし、
苦〈しんでおりますしね…