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証言027
8月6日 直後
這うて、立って、転げて
当時25歳
出た時には、15メートル
四方
〈
しほう
〉
は火の海ですよ。
バリバリッ、バリバリッ、バリバリッ、っと。
『イヤーこりやぁ、ここにおったら焼け死ぬよ、
お父さん、お母さん、ワー!』という事ですね。
そいでまぁ私はとにかく、燃えん所から、燃えん所から、
選
〈
え
〉
って、
まぁ川へ出なければしょうがない、
『
怪我
〈
けが
〉
しんさんなよ、父さん、
五寸
〈
ごすん
〉
釘
〈
くぎ
〉
覗
〈
のぞ
〉
いとるよー』って、
云いながら、
這
〈
ほ
〉
うてみたり、立ってみたり、転げてみたり。
『わー、これは生き地獄じゃのー、
悔
〈
くや
〉
しいのー、
こがいな事があるもんか』云ってね。